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投稿者 話題
豊島耕一
投稿日時: 2005-3-12 17:24
管理人
登録日: 2005-1-25
居住地:
投稿: 5
昆虫学者の手紙
準備会メンバーの一人である,佐賀大学を昨年退職された籐條さんが,知人多数に宛てて送られた手紙を紹介します.
__________________

 突然の手紙を差し上げますこと、どうかご容赦ください。私は、昨年3月に佐賀大学を定年退職しましたが、幸いにして、研究室の片隅で、前と同じよう に、学生と昆虫相手の毎日を過ごすことができています。戦後の東京で、飢えと貧しさを体験しましたものの40年以上も研究生活を送ることがでましたこと に、何と果報者だったと思いますともに、この間に巡り会い、ご支援・叱咤激励を受けてまいりました先達、同僚さらには後輩の皆様がたのご厚情に厚く感謝 する次第です。ここに、私の研究のスタートにおきまして、はかり知れない影響を与えてくれました、昆虫学の世界的な発展に寄与してきた2人の先達のこと を紹介させて下さい。

 その一人は、昨秋89歳で逝去された石井象二郎 元京都大学名誉教授です。私が農林省西ヶ原の農業技術研究所昆虫科に勤務したときの研究室長が、石井 さんでした。私は1938年の生まれですが、石井さんはその年に22歳で佐賀県農事試験場に赴任し、5年間在籍したものの、4年間は兵役として中国戦線 に召集され、佐賀にはわずか1年住んだだけでした。その佐賀に私も40年後に赴任した因縁を感じざるを得ませんでした。戦線から佐賀に戻ってから、京都 大学に入学したものの、1945年、再び召集され、戦後復学し、研究者としての道を歩み出せたのは30歳を超えてからとのことです。石井さんが1995 年に書かれた『虫に食べられないアズキを求めて』(偕成社)には、以下のような記述があります。「兵役で失われた貴重な時間は、それだけ長生きしてとり かえさねばと、おもった。しかし、20歳代の5年間は、年をとってからそれだけ長生きをしてとりもどしてもとりもどせるものではない。わたしは戦争と戦 後の時代をなんとかきりぬけ、ふたたび研究者として生きることができた。ひるがえって、わたしと同世代で同じような立場にありながら、不幸にして戦争の 犠牲になった若い学徒の無念さをおもうと、戦争をにくむ気持ちは一生きえることはない」と。なくなられる2年前にご自宅に伺った折、今、戦争を起こした 人たちの責任を問うための勉強をしているのだと、何冊かの本を示し、自分の青春を奪った戦争への無念の思いを語ってくれました。

 もう一人は、3年前に75歳で逝去された湯島健 元九州農業試験場環境第1部長です。石井さんが京大に転出された後の、後任の室長でした。湯島さん は、特攻隊員として出撃した飛行機が故障で目的地にいけず引き返し、間もなく終戦になったために九死に一生を得たのですが、同氏のお兄さんは特攻隊員と して戦死しています。その後東京高等農林学校を卒業し、研究者としての道を歩まれたかたです。石井さんも同様でしたが、研究ができる若いときに研究をし ておけ、基礎研究こそが応用研究につながるのだというのが口癖でした。当時世界的に遅れをとっていたフェロモン研究に、これこそ重要と研究の方向を定 め、世界に誇れる画期的な成果を出されたことをご存知の方も多いと思います。一方で、殺虫剤が使用されはじめた当初から、その毒性、生物への残留・濃縮 の危険性を指摘し、湯島健・桐谷圭治・金沢純著の「生態系と農薬」(1973年、岩波書店)という名著などを発表し、警笛を鳴らし続けてきました。

 退職後は、石井さんは堰を切ったようにご自身の研究を展開し、その成果を青少年向けの本数冊の本として上梓し、また湯島さんはエッチングに励み個展を 開くまでにいたるなど、お二人とも、まさに慚愧の念で、青春を取り戻そうとするように、青春時代にやりたかったことに、亡くなられる少し前まで打ち込ん でおられました。それに比べて、私は何と恵まれた社会でいきることできたかと思いますと同時に、そうすることができた者としての責任を痛感せざるを得ま せん。お二人からは、私は非戦ということを学びました。それがどんなに重要で、人間の尊厳をまもるのかということも。残念ながら、戦後60年近くも戦争 に拘らなかった日本も、イラクへの自衛隊派遣をし、さらには憲法を変えて、自衛隊を軍隊として公認し、再び戦火を交えるようになるような状況が生まれつ つあることに、大きな危惧を抱かざるを得ません。

 私のような非力な者に何ができるかと絶望的にもなりますが、個々人でも、まとまれば大きな力になることを信じて、同封のパンフにありますような九条広 告支援の会に参加し、長く生きたものとして、少しでも責任を果たしたいと思っている次第です。9条広告支援の会は、憲法9条に関する論議を巻き起こし、 それをマスメディアを通して宣伝する場を提供しようというものです。この会では、まず、同封のような内容の新聞広告を出すことから活動を開始することに なり、そのための募金活動を行っています。もし、ご賛同いただけるようでしたら、ご協力いただければ幸甚です。

 少し、長い文章をお読みいただき、恐縮です。私は、お二人の先達の遺志をくんで、私なりの非戦の訴えをさせていただきましたもので、それだけをご理解 いただければと思っております。 
 末尾になりましたが、皆様のご健勝を願ってやみません。

                     佐賀市
                     藤條純夫


藤條純夫
〒840ー8502
佐賀市本庄町1
佐賀大学農学部
害虫制御学分野
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